音楽ライフコーチングの高野(コウノ)です。
「プライドを捨てなさい!」とは、教わる現場でよく聞く言葉です。
「プライド」という言葉を辞書で引くと、「自尊心や自負心」と書かれています。
「自尊心」とは「自分の人格を大切に思う心」であり、「自負心」とは「自分の才能や仕事などを誇りに思う心」のことです。
どちらも持っていたほうが良いように思えますが、
「プライドを捨てなさい!」と一般に言われる時は、「自尊心や自負心を捨てなさい」という意味ではなく、
「他者の話(特に経験者や結果を出した人の話)を聞き入れなさい!」とか、「エゴやこだわりを捨てなさい!」といった意味で使われていると思います。
これは、余計なお世話であると私は思います。
人には、それぞれのゴールがあり、それぞれのゴールへの向かい方があります。
途中の段階で絶対の正解なんてないのですから、他者に迷惑をかけない限りは、その人が「こうしたい」と思ったやり方で進めば良いのです。
後になって自分が間違っていることに気づいたり、遠回りをすることだってあるかもしれませんが、それが無駄なのかどうかは他者には判断できないことです。
その経験を無駄と思うか、糧とするかは本人が決めることだからです。
確かに、成長するためには、オープンマインドであることは重要です。
結果を出した人の言うことを素直に受け入れ、その通りに実践するほうが良いと言えるでしょう。
ただし、論理的に正しいからといって、感情的に従えるほど人間は単純ではありません。
相手が尊敬できる人間なら素直に従えますが、尊敬できない人間なら拒絶心が生まれることだってあるでしょう。
また、「正しい」と言われた方法が外れる場合もありますし、「間違っている」と言われた方法が意外な理由でうまくいくこともあります。
人間の理性には限界がありますから、未来を完璧に見通すことは不可能なのです。
コーチングでは、自分が心から「そうしたい」と思う「want to」の行動のみを選択し、「しなければならない」といった自分の望まない「have to」の行動を一切しないように促します。
脳は外側からの強制を嫌いますから、自分が望んでいないことを「しなければならない」と思って行動しようとしても、その行動を回避しようとしてしまうのです。
「want to」の行動であれば、誰に言われなくても誰に止められても自然に取り組みます。
「want to」のゴールに本当に必要なことは、「want to」で取り組めるのです。
だから、「プライドを捨てなさい!」なんて言われなくても、自分に本当に必要なことは自分のタイミングで受け取れるはずです。
誰かに言われたからといって、今すぐそうしなければならないわけではないのです。
「プライドを捨てなさい」と言ってくる人の中には、 相手のためというより、自分の言うことを聞かせたいがために言ってくる人もいます。
「プライドが高い人」というネガティブなレッテルを貼られる恐怖を相手に与えることで、 相手を自分の思う通りにコントロールしようとしているのです。
自分の言うことを聞かせたいと思うのは「エゴ」であり、「支配欲」です。
人には、それぞれの幸福追求権があり、他者の権利を侵害しないかぎり自滅的な愚行であろうと許容されるという愚行権だってあるのです。
人の言うことを聞かない人に対して「あの人は頑固だ」と言う人がいますが、どうしても言うことを聞かせたいと思う人こそが「頑固」なのだと私は思います。
誰かのアドバイスを受け入れられない時に、「自分はプライドが高いからダメだ」と思って自己否定してしまうのは良くありません。
あなたの責任で、あなたがそう決めたのなら、その判断をあなた自身が否定する必要はありません。
自分の心から望むゴールに必要ないことは受け入れる必要はありませんし、必要だったとしても「今はそうしたくない」と思うのならそれでもいいのです。
あなたの自由な選択を尊重できないほうがおかしいのです。
あくまで自分のゴールを軸として、「want to」で進んで下さい。
私は、あなたが選んだ「want to」のゴール、「want to」の選択を尊重し、応援します!
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