音楽ライフコーチングの高野（コウノ）です。
日々、色んな音楽家の方から、集客とかビジネス関連の相談を受けるのですが、
「学生時代にビジネスのことを学んでおけば良かった」とおっしゃる音楽家の方がいます。
個人的には、「せっかく音大に入ったのだから存分に音楽を学べば良いのに、、」
と思うのですが、そう感じてしまう理由も分からなくはありません。
音楽大学ではビジネスについては教わらないため（そもそもそういう場所ではないので）、ほとんどの音楽家が誰かに雇われたり、誰かに仕事をもらう発想しか持てず、
自分で仕事を組み立てる能力や、お客さんを集める能力がないまま社会に放り出されてしまいます。
プロのオーケストラのオーディションに受かったり、何かのコンクールで入賞して有名になったりすれば、 誰かが代わりに仕事を作ってくれたり、お客さんを集めてくれるのかもしれませんが、
そういう状況に恵まれるのは一部の人ですし、そういう状況に恵まれたとしても、その状況がいつ破綻しないとも限りません。（そのわずかな可能性にかける人生もありですが、、、）
また、自分で仕事を組み立て、自分でお客さんを集めることができず、誰かから仕事をもらうことしかできなければ、仕事をくれる側の都合に常に振り回されてしまいます。
働く時間も、場所も、時給も他人に決められ、やりたくない仕事でもお金のために続けざるを得ないといった状況も生まれます。
好きな音楽の道に進みながらも、苦しい生活になってしまうわけです。
私は、音楽活動以外に収入を得る手段を持って、「音楽をする時は好きなようにやる」という生き方のほうが精神的にははるかに健全だと考えますが、
「音楽のみで生計を立てていきたい」と考えるのであれば、自分で仕事を組み立て、お客さんを集める能力を身につけるか、そういう能力を持った誰かと組んだほうが良いと言えます。
そこで参考にして欲しいのが、ビジネスの考え方です。
「ビジネスをしている人は、どうやってお金を得ているのか？」ということです。
ビジネスをする人にとって、第一に必要な能力は「売る力」です。
すなわち、マーケティングやセールスの能力ですね。
売る力のある人が良い商品やサービスを持って、はじめてその商品やサービスが売れます。
良い商品やサービスがあるだけでは誰にも発見されず、勝手に売れていくことはありません。
終戦直後のような物がない時代なら、ただ商品やサービスを作れば勝手に売れていきましたが、
現在のように良い商品やサービスが溢れている時代にモノを売るのは大変なことです。
音楽家が音楽的な能力を磨くことは、ビジネスで言えば良い商品やサービスを作ることに当たります。
次に考えるべきは、「その商品やサービスをどのように知ってもらい、買ってもらうか？」です。
さて、「音楽のみで生計を立てていきたい」と考えるあなたは、あなた自身を売る力を磨いていますか？
ビジネスでうまくいかない人は、売ることから目を背けます。
「自分の商品にはまだまだ足りないところがある」「自分にはまだまだ能力が足りない」などと、様々な理由をつけて売ろうとしないのです。
どんなに商品力があろうと、売れなければ利益は出ません。
売ることから逃げる人は、「その一本で道で食べていく」ことはできないのです。
一生懸命に練習し、せっかく優れた音楽家になったのなら、多くのお客さんに喜んで頂きたいですよね。
また、あなたが誰かに音楽を教えることで誰かの問題が解決するのなら、その誰かにあなたのことを知ってもらいたいですよね。
画家のゴッホは素晴らしい絵を描きましたが、生きている間には絵が売れず、貧しくて苦しい生活のままに短い生涯を終えました。
ピカソは一般の人には理解しがたい抽象的な絵を描きましたが、セールスが得意だったために、生きている間にたくさんの絵を売って裕福に暮らしました。
どちらの人生が良いと言うことは一概には言えません。
人生に求めるものは人それぞれ違いますし、色んな音楽家の人生があって良いと思います。
ただ、音楽で生活を成り立たせ、好きな音楽の道で長く生き続けていきたいのであれば、
自分で仕事を組み立て、お客さんを集められる能力を身につけることも考えてみてはどうでしょう？
音楽ライフコーチングでは、音楽家がビジネスについて学べるスクールも開講しています。
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