音楽ライフコーチングの高野(コウノ)です。
楽器の上達は、山登りに似ています。
山を登るのは生徒、山登りを指導するのは指導者です。
生徒が上達した状態を、山の頂上に辿り着いた状態としましょう。
「どの高さの山を登るか?(どこまで上達するのか?)」
「どのルートで登山するのか?(どんなやり方で練習するのか?)」
「いつまでに登り切るのか?(どんなペースで練習するのか?)」
これらは指導者ではなく、本来は生徒が決めるべきことです。
そして、生徒が納得した進み方で山の頂上にたどり着けるように指導するのが指導者の役割です。
ところが、「まずこれをやりなさい!」「これを目指します!」などと、
登りたくない山を「登れ」と言われても、やる気は起きません。
通りたくない道を「通れ」と言われても、なかなか通れません。
ゆっくり歩きたいのに「急げ」と言われても、苦しいばかりです。
生徒が望んでいないことや、その生徒にとって困難なこと、続かないことを無理にやらせようとすれば、途中で挫折してしまいます。
「どこまで上手くなりたいのか?」
「どのようにして上手くなりたいのか?」
「いつまでに上手くなりたいのか?」
これらは人によって答えが違います。
最初のうちは生徒も知識がないので、どうなりたいのかも、どう進みたいのかも分からないと思います。
指導者が決めた型に沿って、指導を始めることも悪くないでしょうし、
さまざまな山の登り方(練習方法やそうすべき理由など)を案内しながら、生徒の状況に合わせて目標や進み方を一緒に決めるのでも良いでしょう。
一度決めたあとでも、教えていく中で生徒の様子を見ながら、目標や進み方を見直していくと良いでしょう。
人は望んでいないことや納得していないことに対して力が湧きません。
意味も分からず、「こうしなさい!」と他者に決められてやらされるよりも、自分で納得して決めたほうが続けられます。
大事なことは、生徒が挫折せずに、頂上までたどり着けることです。
「私はこのやり方でしか教えられない」「一人一人の細かい事情まで考えてられない」などと、指導者の都合ばかり優先して指導していると、生徒が最後まで登り切れない可能性が出てきます。
コーチングでは、「○○しなさい!」とは言いません。
提案をすることはありますが、それを採用するかどうかは本人が決めます。
話をよく聞いて望みを明確にしてあげるだけで、相手はやる気を出し、自分で必要なことを見つけ、意欲的に取り組んでいきます。
生徒を操縦しようとするのではなく、生徒の望みに沿った導き方、生徒の思いに合った導き方を確認することが大切です。
生徒の本当の思いや望みを、きちんと確認していますか?
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