音楽ライフコーチングの高野(コウノ)です。
コーチングにおいて重要なのは、ゴール設定です。
「ゴール設定を間違うと全てが間違う」と言っても大げさではないくらい大事なことなのですが、
正しいゴール設定について、きちんと教えてくれる人は少ないです。
もし楽器上達したいなら、上達するためのポイントをきちんと押さえる必要がありますよね?
身体の仕組みから見て、やった方が良いこと、やってはいけないことを知っておいた方が良いですよね?
ゴール設定も同じです。
脳と心の仕組みや性質から見て、やった方が良いことと、やってはいけないことがあるのです。
現代のコーチングでは、ゴールを「ステータス・クオの外側」に設定します。
「ステータス・クオ」とは自分自身の現状であり、今の自分の生き方を続けることによって起こり得る未来の可能性全てを含みます。
「ステータス・クオの外側」のゴールとは、今の自分の生き方の延長線上にはないゴールです。
今までの自分にとって非常識であり、自分が大きく変わらなければ決して達成できないようなゴールを設定するのです。
もちろん、そのゴールの達成を自分自身が心から望んでいることが大切です。
ステータス・クオの内側に、現実的で達成できそうなゴールを設定してしまうと、私たちの無意識は「今のままの自分を続けていればゴールを達成できる」と判断します。
「今のままの自分でも大丈夫」なのですから、それ以上新しい情報を得る必要も、行動する必要もなくなります。
その結果、現状を維持する情報しか見えなくなり、行動するエネルギーも弱まり、ますます現状に縛られてしまうのです。
途中でやる気がなくなるとか、モチベーションが下がるという人は、大抵は現状の内側にゴールを設定してしまっています。
また、現状の内側のゴールは自分にとって常識的なゴールなわけですが、自分の常識は必ずしも自分が望んでいることとは限りません。
自分の持つ常識は、今まで生きてきた中で親や、学校の先生や、身近な他人から「これが正しい」「これが間違っている」といった価値観を、自分の望みとは関係なく刷り込まれてでき上がっているからです。
つまり、自分の常識の中には、他人の望む答えばかりが詰まっているのです。
本当の意味で自分の望みを発見するには、自分の常識の外側の世界を確かめてみた方が良いのです。
ひと昔前までは、「目標設定はSMARTで設定した方が良い」と言われてきました。
SMARTとは、以下の頭文字です。
S:Specific 具体的
M:Measurable 測定可能
A:Agreed upon 同意している
R:Realistic 現実的
T:Timely 期限が明確
要するに、「具体的で、現実的で、達成可能である目標ほど良い」とされてきたのです。
ですが、現代の脳科学・認知科学をベースにしたコーチング理論の立場からすると、この設定方法は間違っています。
「具体的で、現実的で、達成可能」ということは、現状の内側(延長線上)にあるゴールであり、現状を積み重ねていけば達成できてしまうゴールだからです。
SMARTのゴール(目標)設定は、コンサルタントの世界でよく使われており、組織の管理者が部下を扱う時に、正確に仕事を実行させるのには都合が良いのですが、
それは組織の奴隷を生み出すだけで、個人の本当の意味での成長や幸せには結びつかないのです。
脳と心を間違って扱えば、間違った結果が出ます。
脳と心の仕組みを知り、その仕組みに沿った正しい扱い方を知ることが大切です。
誰かの思い込みや経験則による指導やアドバイスを信じるのではなく、脳と心の仕組みをきちんと理解した上で、正しいゴールを設定することが大切です。
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