アーティストライフコーチングの
高野直人（こうのなおと）です。
私は毎週、
書店をチェックするのですが、
よく目にするのが、
「〇〇で決まる」
「〇〇がすべて」
「〇〇が9割」
といったタイトルです。
こういうのは、
人目を引くための、
キャッチコピーなので、
本気で信じる人は、
少ないと思いますが、
「これさえ学べば大丈夫」
「これさえやっておけば安心」
という風に、
何か一つの要素だけに、
フォーカスさせる教え方は、
危険だと思います。
物事は、
さまざまな要素が複雑にからみ合い、
影響し合って成り立ちますから、
その中の一つの要素に着目すると、
他の要素を無視することになり、
現実をきちんと、
捉えられなくなるからです。
アメリカの生物学者
ジャレド・ダイアモンドが、
結婚について、
こんなことを言っています。
「幸せな結婚にとって大事なことは、
“結婚における一番大事なこと”
を探さないというコトなのです。
なぜなら、
幸せな結婚生活のためには、
セックス、子供、経済面、相手の家族
といったさまざまな三十八余の要素が、
それぞれにうまく
機能していかなければならないから。
同様に、ある社会が
うまく機能していくためには、
三十八余の事柄がうまく
機能していく必要がある。
一番大事な一つのことに
絞り込めないのです」と。
コーチングでは、
複数のゴールを設定するように、
促します。
仕事、趣味、お金、
家庭、恋愛、友人関係、
教養、精神性、
地域での役割、社会貢献など、
人生の様々な領域に、
ゴールを設定します。
そうすることで、
自分の生き方を多様な側面から、
捉えることができます。
仕事だけうまくいっても、
病気をしたり家庭不和だったら、
幸せじゃないかもしれませんし、
周りから評価される結果が出ても、
自分の美意識や倫理観に反する行動を、
とっていたら後悔するかもしれません。
一つのゴールだけでなく、
複数のゴールを考慮することで、
バランスが取れるのです。
日々の判断や行動も、
複数のゴールと照らし合わせながら、
「今はこのゴールを優先しよう」
「ここはブレーキをかけておこう」
というように選択をしていきます。
あなたの人生にとって、
何が正しいかは、
あなたが持つ複数のゴールで決まります。
職場の人は、
仕事のゴールしか考えず、
「業績を上げたかどうか？」だけで、
あなたを評価するかもしれませんし、
学校の先生は、
成績のゴールしか考えず、
「成績が良いかどうか？」だけで、
あなたを評価するかもしれませんが、
どれも部分的な評価に過ぎません。
あなた自身は、
複数のゴールを考慮しながら、
あなたの行動や結果を、
長期的に、総合的に、
評価していった方が良いでしょう。
他の人は、
あなたのゴールを全て知らないので、
あなたを全体的には評価できません。
他人が言ってくる、
部分的な正解に囚われず、
自分の人生全体のバランスを見ながら、
日々の行動や判断を選んでいかれると、
良いと思います。
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