音楽ライフコーチングの高野(コウノ)です。
コーチングの観点から見た時に、音楽指導でやらない方が良いことがあります。
それは、相手(生徒)のエフィカシーを下げてしまうことです。
エフィカシーとは、コーチングの用語で「自分のゴール達成能力の自己評価」のことを言います。
「私は必ずこのゴール(目標)を達成できる」
「そういう能力を持っている(必ず引き出せる)」
このように、自分が未来に発揮する能力を高く評価できている状態がエフィカシーの高い状態。
「私には無理だ」
「私には難しい」
このように、自分が未来に発揮する能力を低く評価している状態がエフィカシーの低い状態です。
音楽活動で例えれば、
「自分は必ずこのレベルに到達できる」「必ずこの課題を乗り越えられる」
と思っている状態がエフィカシーの高い状態、
「私は上手くなれない」「私にはこの課題を乗り越えられない」
と思っている状態がエフィカシーの低い状態です。
エフィカシーが高い人は「必ず上達できる」「必ず課題を乗り越えられる」と確信しているので、何があっても行動し続け、方法を探し続けます。
エフィカシーが下がってしまうと、行動力が落ち、途中で諦めやすくなります。
「できない」「難しい」と思っていることに対しては、「何とかしよう」と頭を働かせようともしないし、解決する方法を探そうともしなくなってしまうものです。
楽器の上達でも、目標の達成でも、課題の克服でも、できるまで試行錯誤し続けることや、トライし続けることが重要ですが、エフィカシーが下がってしまうとそれができなくなってしまいます。
エフィカシーは、これから(未来に)発揮する能力に対する自己評価なので、過去の出来事は一切関係ありません。
未来のまだ起こっていないことには根拠の持ちようがありませんから、根拠なく「できる」「達成できる」と思い、エフィカシーを高く保てば良いのです。
今までに何ができていようが、何ができていまいが、エフィカシーには関係がないのです。
エフィカシーが低い状態であるより、エフィカシーが高い状態である方が良い結果が出やすくなります。
音楽指導をする時に、「そんなことではダメだ」「君には才能がない」「君には無理だ」などと、相手(生徒)のエフィカシーが下がってしまうような言葉を投げかけると、相手(生徒)のやる気や行動力は落ちてしまいます。
相手(生徒)のエフィカシーを下げることは、生徒のパフォーマンスを下げる行為であり、音楽指導をする上でも大きなマイナスになります。
音楽指導者も人間ですから、熱心に指導するあまり、時には「何やってるんだ!」「バカヤロウ!」などと言ってしまうこともあるかもしれませんが、
その後に、「もっとできるはず」「君には力がある」と言ってあげるなど、相手のエフィカシーが下がらないような接し方をしてあげると良いでしょう。
指導者が口下手であろうと、説明下手であろうと、生徒のエフィカシーを下げることに比べたらはるかにマシです。
音楽指導の効果を高めるためにも、相手のエフィカシーを高める言葉を投げかけ、パフォーマンスを高めてあげましょう!
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