音楽ライフコーチングの高野(コウノ)です。
何らかの望む状態(ゴール)があり、何か問題があってそこに移行できない時に、人は解決策を調べたり、誰かに相談したりします。
「この問題の解決策はこれです!」
「この問題をクリアするにはこうすれば良い!」
などと問題の解決策を教えてくれる人はたくさんいます。
ですが、誰かから方法を学んでも、うまくいかない場合があります。
その方法は、他人の過去の正解でしかなく、自分以外の誰かの性格や環境や時代に、たまたまうまくいった方法でしかないからです。
自分の性格には合わなくて、実践を続けられないかもしれませんし、自分の置かれた環境や自分の生きる時代には合致しないかもしれません。
また、他人から「こうしなさい」と言われることは「have to」になり、生産性が下がりがちです。
脳は外側からの強制を嫌うので、「しなければならない」と感じることを創造的に回避してしまうからです。
誰に相談するにも、アドバイスを受けるにも、良し悪しがあるのです。
コーチングでは、「そもそもそのゴールを本当に望んでいるの?」という所から見つめ直します。
今の自分が「望んでいる」と思っていることの多くは、自分の中から生まれたものではなく、 過去に親や身近な他人、テレビや雑誌などのメディアによって刷り込まれた望みである可能性が高いからです。
例えば、「プロの音楽家になりたい」というゴールを持ち、そうなる過程で悩んでいる人がいるとします。
その人に、プロの音楽家になりたい理由を聞いてみると、 「拍手喝采を浴びたい」とか「毎日たくさん音楽に触れたい」などの理由があり、「それを実現するには、プロになるのが一番良い」と思っていることが分かります。
ですが、その人はその時点ではプロじゃないわけですから、プロになった状態も、プロになる過程も、自分が本当に望んでいるのかどうか知りようがありません。
その時にはまだ見えていない、嫌なことがたくさんあるかもしれないし、実際になってみたら、「こんな生活なら続けたくない」と思うことだってあるかもしれません。
本当は、プロの音楽家としての生活を心から望んでいるわけではなく、「音楽が好きな人はプロになる」みたいな考えを他者から刷り込まれていたり、格好良く演奏するミュージシャンのその姿だけを見て憧れているだけなのかもしれません。
「プロになる」のは手段の一つでしかなく、自分の望みを実現する手段は他にもたくさんあります。
拍手喝采を浴びたいなら、アマチュアとしてすごく上手くなって、たくさんお客さんを集めたって良いわけですし、
毎日たくさん音楽に触れたいなら、なるべく短時間で効率良くお金を稼げる別の仕事を見つけたって良いのです。
「こうあるべき」「こうなるのが当たり前」と思い込み、本当は望まない肩書きや形式や手段をゴールにして、その過程の問題で悩んでいるのなら、その問題を解決する必要なんてありません。
本当に望むゴールを見つけて、そちらに近づいた方が良いからです。
ゴールを見直すことで、それまで問題だったことが問題でなくなる場合も多くあります。
自分が何に囚われているのかに気づき、「本当の所、自分は何を望んでいるのか?」とゴールを常に見直すことも大切です。
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